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「ら」
本日、学園を早退して都下に向かった。


武蔵の国、立川

戦時中は、基地の街として発展した地であり。

更に昔は、新撰組縁の天然理心流の剣士達が多く居た土地でもある。


母方の叔母の次男…

相も変わらず、顔すら覚えていない従兄弟の一人なのだが。

その結婚式に、藤堂家の名代として顔だけも出してくれないか、と。


……だから、親戚多過ぎだと。(遠い目)


母から送られて来た引き出物の目録と、御祝儀だけ渡してさっさと帰ろうか…と、思いきや。

式の終わり頃に、新郎の兄がやたらと懐かしそうに話し掛けて来て。


……だから、貴方も余り覚えてないのですよ。(冷汗)


なんて、正直に言えるものでもなく。

話を適当に併せている内に、馬が合う奴と思われたようで。

「いや~、昨日からロクな物食ってないからさ、夕飯一緒に行こうよ、ね。」

と、何だか馴れ馴れしく肩など抱かれ。

私より5つ程年上の好青年ではあるけれど、

どうやら弟の結婚式のスピーチで相当にプレッシャーが在ったらしく。

やっと回ってきた酒で赤ら顔になった彼と共に、

半ば式場から逃げ出すように夕闇迫る駅前へと繰り出した。



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意外に、大きな街である。

駅から一歩遠退けば、未だ武蔵野の面影が残っているとは聞いていたが、

昭和天皇の名を冠した公園の造成と共に、駅周辺の区画が大きく整理されたらしく。


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東西を走るJRと交差して、南北に抜けるモノレールも立体的で巨大な駅の造型を為していた。

そして、赤ら顔の彼が雑誌片手に目指した場所。

そこは、モノレールの駅から伸びる通路の、すぐ目の前。


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……ゲームセンター?

いや、私は余りこのような場所は……。

と、入口前で戸惑っていると。

「いやいや、違うって!」

などと、グイグイ袖を引きながら中へ中へと…


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ヘッドフォンを頭に載せた女性が、一室に篭ってマイクに向かいながら喋っている。

中央にリングでも在れば、安っぽいプロレス興行の会場にも見えぬ事も無い、妙な風景。

よく観ると、周囲は全て飲食店…いや、全てラーメン店のようであった。

此れが噂に聞く、食のミュージアムという物だと、横の看板を見てやっと気付く。


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日没が早いだけで、夕飯時にはまだまだの此の時間。

どの店も、中央の休憩所も閑散としており。

これなら並ばずに選び放題だ~、と喜んでいる赤ら顔、一名。

…の、割りに。

目指していた店が在ったらしく、情報誌片手に指差した物。


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ほぉ……。

たかが味噌ラーメン、という心の呟きが聞こえてしまったのか。

食べる前から、赤ら顔の薀蓄話が始まった。


…きっと、その情報誌の受け売りなのでしょう?…とは、可哀想だから言わない。


食券の購入も、座席の位置も赤ら顔の薀蓄に御任せして。

腰を落ち着けた私は、若い職人の切れの好い手捌きに見惚れていた。

そして、待つ事7~8分。


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確かに、小さな商店街に在る中華料理屋のソレとは、別の物。

厨房での店員の動き、麺や鍋の扱い、具を載せる工程…既に異質に感じてはいたが。

今時のラーメンとは、此処まで進化したのですか…と、流石に感心。

そして、レンゲでスープを一飲み。



(………濃っ!)


なんという濃厚さ。

焦がした味噌の香りに加え、鼻を突き抜けたのは…鯖節か何かの日干し魚の物。

それも、獣肉も含めて複雑にあれこれ混ざり合わせた……

いや、此処までくると私の舌も鼻も迷宮のらびりんす。

細うどんに近い程の太麺が、この濃厚な濁り汁を口元へと一気に巻上げて。

ほっくりジューシー柔らか焼き豚と共に、1cm角は在ろうかという極太メンマも伴って、

不思議世界へようこそ~♪ …みたいな。

こんなに濃いと、付け合せのバターもコーンも味の変化には役立たぬような?

と、一言ぐらい反撃したくなる程に。


……旨し


後でもたれそうな胃の不安を他所に、最後の一滴まで完食。

成程、此れは一食の価値が在りますねぇ…などと感心していると、赤ら顔が。


「さて、次は何処にする?」



……次、とは?



「おいおい、こういう所は二軒は食べ比べるものだよ。」

と、通ぶった顔がニヤついている。


………ぇ。


なんと言う、飽食の時代であろうか。

というか、大丈夫か、私の消化器官。

初めからその気であれば、それなりの覚悟も在ったであろうが。

最後の一滴まで、啜り終わってから言うな、と。

見れば、赤ら顔は適度にスープは残しており。


……賽の目に縛って、煮豚にしてやろうか、と。


赤ら顔の勢いに飲まれたまま、再び看板前。

次は私が選べ、との仰せだ。

『慮外者め…』と心で呟きながら、何でも良いから軽い物をと、見た先に。


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………っ!?

其処には、見覚えの在る名前が。




「あぁ、コレね!OKOK!!」


…いや、私は此の店の名前が……ん?



指差していたのは、その下だと思われたらしく。


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………此れを、どうしろと。(呆然)


立ち竦む私など意に介さず、赤ら顔は新たなる砦へ進軍する。

重い足取りが、後に続く。




そして、10と数分後。





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どーーーんっ!!  …とな。(法螺貝の音鳴り響き)





厚手のチャーシュー6枚!

トロトロ軟骨チャーシューたっぷり!!

味付けウマウマ卵もまるまる一個入って、もうね!!!



…もうね……





……もう、ゴチソウサマ、ですよ。






ビックリする程の細麺で、意外な程のあっさりスルスルこく旨スープ。

スペシャルの名に相応しい芸術的な麺と汁、豪華絢爛なる具材で情熱たっぷり漢の「ら」。




………此れが、一杯目だったら……ね。




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左上の七味とクラッシュ大蒜の後詰により、味を二度三度と変えながら、やっと完食。




…進化した「ら」の字なぞ、当分要りませんよ。










その後、赤ら顔はどうしたかって?

………さぁ?(中央ベンチに放置して帰ってきた)
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by yugenniou | 2007-11-22 21:48 | 幽玄―Yugen

小手返し
妹からの返し技に応じてみる

手頸捻ってコロリン。。。
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by yugenniou | 2007-11-21 21:28 | 幽玄―Yugen

妄想人別帖
就寝前、家人達の宿題の面倒でも無い限り、私は独り時代小説の世界に浸っている。

国取り物語、武将・智将伝記、幕末維新、忍術奇譚、剣豪小説、

武家一族の盛衰話から、果ては町人達の人情小話まで。

最近は、統一性が全く見られぬ程広範囲に範疇が広がりつつある。


無論お気に入りの作家も居るのだが、既に没した大家の作品を全て読み終えてしまうと、

その後に来そうな激しい「飢え」を想像してしまい…幾つかの作品は、敢えて手を付けずに避けている。

大好きなおかずは取り置いて、最後にゆっくり愉しむような性格。

骨肉を争うような兄弟姉妹の多かった、両親の血が流れているとは思えぬ程に。

独立自尊と言えば聞こえは好いが、私はどうやら変に急かされるのが嫌いなところが在るらしい。

家紋の話でも出た通り、「武士は食わねど」的な見栄っ張りな面も否めぬ。

こと「競争心」に関して言えば、多分に諦めが早いのも事実である。

司弦に「バッサリ斬り捨てる」面と「絡んだ糸を弄ぶ」面を指摘されたが…言い得て、妙だ。(認めた・笑)


…で、時代小説の話。(バッサリ)

私の好んで読む題材は、歴史上の実在した人物の物語が多い。

が、作家の創作による短編集やシリーズ物も好物であったりする。

その中でも特に、某作家が架空に創り出した東北藩の下級藩士達が息衝く世界は大好物。

藩主や家老達の跳梁に翻弄されつつ、それでも尚、己が腕一つで運命を切り開いていく。

下士という貧しく苦しい身の辛さと、武家の誇りという意地の誉れ。

家族、朋友、慕う相手などとの狭間に立ちながら、秘めた剣の技前が「一寸先の光」を呼び起こす。

奥歯でじっくり噛み締めて、最後まで味わいたいおかずが、其処に在る。


登場人物も、その時代その境遇に似合った名前で登場する。

~右衛門、~左衛門、~兵衛、~蔵、~太、~吉、、、等は、よく登場する名前だが。

矢張り名前からして剣客らしく、威勢を感じる敵役なども好い。

最近で記憶に残った名前は、勘解由

「かげゆ」と読み、如何にも血に飢えた孤剣を闇で振るいそうな…

妄想が過ぎますか、そうですか。


妄想ついでに、その名に負けない苗字を考えて、あちらこちらと本を開き。



弓削など如何かと、何処からか拾ってくる。

「ゆげ」と読み、その由来は奈良時代の行政監察の職から…ま、それは置いておいて。



弓削 勘解由。


………(妄想ちぅ)………お主、できるな。(入りました)


時代小説の作家達も、物語の初めはこんな愉しみ方をしているのではないかと、妄想に妄想を重ね。




………待てよ。




弓削 勘解由。




ゆげ かげゆ。



ゆげかげゆ………




下から読んでも…………。








どこぞの裏寂れた温泉町で、湯治に来た年寄り相手に日払いの芸を売る漫才コンビの姿が沸いて来て。

ユゲ・カケユ……湯気・掛湯……(すっかり別の妄想)






…どうやら、私は時代小説家には向いていないようである。(本を閉じて不貞寝)
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by yugenniou | 2007-11-18 19:05 | 武―Mononohu

日本一の柔の者
週末、家人が未だ眠りから覚めぬ明け方に家を後にした。

大きな信玄袋に荷物を詰め込み、少し北への遠出。

中仙道の武州と上州の国境に在る、大里熊谷の郷へ。


この地では、年に何度か祭が行われる。

有名なところでは、関東一の祇園祭と呼ばれるうちわ祭

賑やかなこの祭では、本家の京都に次ぐ勇壮な山車の姿を拝む事ができる。
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そしてもう一つが、秋のえびす祭

古来、日本各地の神様が出雲の国へ出掛けてしまう神無月(10月)に、

留守を守るのは竃様(かまどのかみ)であると云われてきた。

別名、夷(恵比寿・恵美寿・蛭子・戒・えびす)様。

「夷」の字が現すように、外来の神様だという諸説も在り。

古くは市場の神としても崇められ、鶴岡八幡宮内にも市神として祀られている。

その後商売繁盛の神様に変化して行き、

関西方面では1月10日に十日戎(とおかえびす)と呼ばれる祭が行われているが、

関東では前述の通り10月20日前後に行われる、秋の商業祭となっている。


熊谷のえびす祭も、御稚児行列やフリーマーケッ等の催し物で大きな集客が在るのだが、

近年その名を有名にしつつあるのが「オ・ドーレ直実」というイベントである。

高知の「よさこい祭」同様のダンスイベントとして、開催日は若者を中心として街中が盛り上がる。
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…これに、出場しようかと。


いえいえ、武流くんからの御誘いが在ったからですが、ね。

どこぞの将軍様の如く、「たつみんサンバ」でも踊ってみようかとも思いましたが、

武流くんと二人だけでは盛り上がりに欠けそうなので。

地元の「サンバなおざね」チームに参加させていただくことに。


……団子の貢物、効いたようです。(ふふりっ)


前振りとも前座とも言えるような時間枠を頂戴し。

熊谷の地名の祖である熊谷次郎直実と、平敦盛の一節を二人で芝居仕立てにして演じる事に。


武流くんが演じる敦盛がねぇ…またこれが、可愛らしい若武者姿で。(七五三用貸衣装ですが・笑)

己が子と似た歳の者の首を刎ねねばならぬ、直実公の感じた儚さ、世の無常が我が身にも降り注ぎ。

舞い謡うは、先日御紹介した御屋形様も好んで舞っていた、あの『敦盛』

そう…この舞踊こそが、「日本一の剛の者」と頼朝に言わしめた坂東武者であり、

若き敦盛を討たねばならぬ宿命と出家に至るまでの心情を謡った、

熊谷直実の儚き想いを綴る半生の物語。

能が生み出すその優雅さで、客席を幽玄の世界へと誘ってみようかと思い、一舞い。

ま、そこから「サンバ」に繋げたのは、御茶目の蟲が騒いだという事で。(笑)


元気一杯の弟分と共に、愉しい一日を過ごせた事に感謝致しましょう♪



そして、その夜に見た夢が、コレ


………御屋形様繋がり、ですかね?(一部の人が悦びそうな台詞満載プレイング・笑)

ついでに、回って来ていたバトンもやってみる
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by yugenniou | 2007-11-14 14:37 | 幽玄―Yugen

家紋
我が藤堂家の家紋は、
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代表的な蔦の紋よりも、若干上下が潰れて平坦な「藤堂蔦」と呼ばれる物。

蔦紋は三河の松平家などで有名であり、将軍に遠慮して葵の紋を使えぬ親族などが、

替紋として使った事もある。

また庶民の間でも、地を長く伝う蔦の姿にあやかり花柳界などにも広がっていた。

蔦は別名「地錦」とも呼ばれ、家伝の鎧直垂の銘の由来にもなっている。


だが、我が家の蔦紋は公の場に出る時のみ紋付衣装などに施される物であり。

非公式の場…それが何処かは明かせぬが、我が家系のみ「裏紋」という物が存在する。

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「鬼蔦」

その名から、色々想像して頂ければ幸いである。



…さて。

天くんの日記から伝わって知人の間で盛り上がっているようだが、

実は私もこの話題に興味を持っていたので、遅ればせながら。


KAMONジェネレーター

生年月日と名前だけで個人別の家紋が作成される、占いの類に似た愉しい物である。


とうどう たつみ 1989年8月5日

これで作成したところ……


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【粋】
粋紋のあなたは些細な事にも喜びや楽しみを見出せる遊び上手な人。
その生き方はとにかくスマートで理知的。異性を引き付ける魅力も兼備しています。
しかし、多少見栄っ張りなのがたまにキズ。
他人の目を気にせず生きてゆけるようになれば、とても粋で豊かな人生がおくれるはずです。

……御意、畏まり仕る。(座して拝礼)




そして、影武者。

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【ひょうたん】
末広がりで縁起がよく、子孫繁栄の象徴とされるひょうたん。
そんな特徴を持つひょうたん紋のあなたは、温かく賑やかな人生を歩めるはず。
ただ・・・人を愛するあまり言動が多少厳しくなることがあるようです。
そんな時は持ち前の優しさを大切にしてください。

………(土下座し平伏した)



ちなみに綾鷹は、なかなかに美味しい御茶でしたが、
抹茶の沈殿物に作為的な意図が感じられ、業物程度の評価かと。

…御茶を愛するあまりの厳しき言動と、御赦しあれ♪
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by yugenniou | 2007-11-03 20:59 | 幽玄―Yugen

愛骨精神
ロボット大国日本。


別に、連邦の化物だとか足なんてただの飾りだとかの話ではなく。

…その意味は、解らぬのですが、ね。(目逸らし)

統計を取ると、世界で稼動している産業用ロボット総数の実に六割近くは、我が日本国の所有だそうな。

産業用ロボットの生みの親であるアメリカでさえ、たかだか一割に過ぎず。

家電や自動車の産業大国であるとか、労使関係や雇用条件、人件費率等の要因も在る。

…が、実はもっと根深い、人の持つ根本的な「好感」「嫌悪感」にその本質が在るようだ。

何故、日本人はロボットが好きなのか。


欧米諸国の映画などを観ていると、ロボットに対する日本人との感覚の違いに気付く。

ロボットは従属させるモノ、主=従の関係であらねば「ならない」という見方。

故に、その深層部分には何処かしら「怖れ」という心理的な距離感が見て取れる。

何時の日か、自分達の座と同じくするのではないか。

何時の日か、その座を追われるのではないか。

そして、やがては自分が従属させられる側に……。

そんな危機感や警戒心が、彼らの捉える視点の端々に窺えるのは明らかだ。

惑星探査や軍事用としては開発しても、身近な環境ではなるべく関わりたくない。

それが、彼らのロボットに対する距離感。
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日本は、どうか。

工場の製造工程や研究施設で働くアーム型ロボット等は勿論の事、

展示施設やビル・病院等で稼動する運搬・警備用ロボット。

果ては、職人の域にまで達した「握り」をこなす寿司ロボットまで。

また、犬や猫等の愛くるしい縫いぐるみの中に電子機器と機材を埋め込んで、

「躾」によって本物のように鳴いたり尻尾を振ったりするペットロボットまでも。

企業から家庭の中まで、気が付けば其処彼処にロボットの存在がある。

確かに、機械に雇用を奪われる感覚や人の情を機械で補うという違和感は無いとは言えない。

だが、欧米諸国のそれに比べれば…。

愛着心すら窺える日本人のロボットへの距離感は、最早無いに等しいのではなかろうか。
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では、何時から日本人はロボットに興味を持ち始めたのか。

日本人は手先が器用だと云われる。

多分に自負した言葉だとも思うが、手先仕事が好きな民族ではあるだろう。

小さな切り紙から鶴でも折って見せれば、異国の瞳が容易に尊敬の色に変わるもの。

団子を狐色に焼き、外と中の絶妙な柔らかさの違いを…いや、それは別として。

他方で、日本人は真似が得意な民族とも云われている。

何でも他人の発明を真似して、しかも壊れ難く、しかも安く売り、しかも…云々と。

其れの、何が悪い?と、問い返したくなるような云われ様ではあるのだが。

確かに、模写、分解、構造研究、交換、転換、改良、新発想、再構築、、、等々。

無の状態から、何かを突然産み出す喜びよりも。

産まれた物の本質を知り、新たな息吹を吹き込む事に無上の悦びを見出す民族なのかも知れず。

それは、長きに渡って稲作の喜びや苦しみと共に生きてきた農耕民族の、育成に対する熱き情熱なのか。


…で、ロボットの話に戻る。(やっと)

日本の工業技術の夜明けは、室町時代の鉄砲の伝来辺りに遡る。

上記のような民族性が、その不可思議なるモノがもたらす効果・有用性だけではなく、

構造自体の究明に奥底の熱い血がふつふつと沸き出でて。

「何故、鉄の玉が飛び出すのか…何故、斯様に動くのか…何故……何故……」、と。

構造原理の飽く無き探究心。

それが後に、日本の歴史さえ揺るがして……あ、ロボットの話でしたね?(思い出した)


鉄砲と共に南蛮より渡来した物の中に、時計が在った。
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勿論、動く物は直ぐにでも分解したくなるのが御茶目な壊し屋いっぱい、じゃぽねーぜ探検隊。

可不分解乎。

「是は、何ぞ?…解せぬ…此方は、何ぞ?」

膨張と縮小を繰り返すゼンマイ仕掛け。

カチカチと噛み合わさる歯車の動き。

「いっつぁ、みらくるわーるど!可不真似乎!!」(何処の国の人だ)


先刻、肥後国佐賀(鍋島)藩の妖怪の話をした。

化猫ではなく、狐の殿様の方である。

外国の圧力が次第に高まる、幕末。

出島警護を任されていた彼の殿様は、軍備近代化の為に近隣諸藩より優秀な技術者を集め、

大砲の鋳造や蒸気機関の建造、化学薬品の研究開発などに取り組んでいた。

その中に、久留米生まれの一人の技師が居た。
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田中久重。

他人を悦ばせる事が、何よりも愉しい。

そんな天真爛漫さを持った彼の生い立ちは、度を越したからくりヲタク愛好少年の半生でもある。

人呼んで「からくり儀右衛門」

久留米の鼈甲細工の嫡男として生まれた為、精密な細工の手練は誰より身近なものであった。

九歳にして作った「開かずの硯箱」で、その難解な細工に友達を唸らせたのが切欠となり。

祭りの興行で観た「からくり人形」に、自分の生きる道は是だ!と、跡継ぎの道すら振り捨てて。

二十代にはからくり興行師として、独特のユーモアを携えたからくり人形を数々考案。
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興行も一時期は成功を収めたが、各地の藩政改革・緊縮財政などの世情に流されて。

客足が遠退きつつある事を感じた彼は、次第に実用品を発明し始める。

だが其処にも、他人を悦ばせようという遊び心は決して失う事無く。


○携帯用懐中燭台
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―1m弱の燭台が小さく四角く折り畳まる、携帯用旅行燭台。


○無尽灯
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―浸透率の低い菜種油をポンプの圧縮で芯に染み込ませ長時間灯す照明器具。


○須弥山儀(しゅみせんぎ)
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―天動説を日本で初めて時刻に現し、且つ仏教的概念も取り入れたからくり時計。


そして、一躍諸藩の知識人達に彼の名を知らしめた作品。


○万年時計
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―和式時刻の和時計、二十四節気(メモ板)、曜日を示す針、十干・十二支表示、
 月齢・旧暦表示、洋時計を側面に飾る六面体。
 天頂部は、日本の地図上で太陽と月の位置を表す天球儀にもなっている。
 ねじの一巻きで200日間も駆動するという、目も耳も愉しませるからくり時計。


この時計を最も欲したのが、彼の狐の殿様であった。

だが儀右衛門に「金儲けの為では無い、文化を広めたいのだ。」と、頑なに拒まれて。

ならば、発明者ごと牛蒡抜きにて候…と、謀ったどうかは判らぬが。

やがて彼自身が幕末・維新というからくり時計のゼンマイを巻き、

近代化という名の鐘を打つ歯車の一つと為っていく。



そして、乱世となりつつある現代の鎌倉に、もう一人。

度を越したヲタク愛好少年の半生が、再び時を刻み始めている。



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坂上飛連

ひとは彼を「がいこつ儀右衛門」と… … …呼んでいる、かも?


ゼンマイが、如何に脈動するか。

大小歯車が、如何に力を生み出すか。

そんなの関係ねぇ~!・・・と、ばかりに。


骨侍が、如何に素晴らしい存在であるか。


唯、その一点に、愛。



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「おぅ、からくり飛連!今度ぁ、いってぇ何を発明したんでぃ?」

「えっとぉ・・・居合い骨侍ですっ!」

 「「「「「また骨か~~?」」」」

「え?え?だって抜刀するんですよ!?ほらっ、田宮流っぽく!」

カタカタカタカタ・・・・・スパッ!・・・・・ポトッ。

「あ~~~腕ごと抜けた~~~~!!!」

「…もうちっと頑張れば、飛び道具にもなるぞ、と。」

「翔連~~;;」





…肉なんて、ただの飾りなんですよね、彼にとっては♪




※注意※
此処に掲載したSDピンナップは、
株式会社トミーウォーカーのPBW『TW2:シルバーレイン』用のイラストとして、
藤堂巽・結更夜・凪龍一朗・黒執躑躅・芹澤望・藤原洸太・芹澤天・榑林燈子・雨乃森珪・中村淳子・
芹田礼次郎・芹田俊一郎・煌月朔・瑛月しわす・森山樹里・堀田ノラ・相澤悟・坂上飛連…(以上敬称略)
が、作成を依頼したものです。 
イラストの使用権は発注者に、著作権は犯ばあぐ絵師に、
全ての権利は株式会社トミーウォーカーが所有します。

尚、このブログにイラストを掲載する事は、
発注者様方からの事前の許可を頂いております。


SDの集合画像は、クリックすると別画面で大きくなります。
最大画像にすると、本当に絵巻みたいなスクロール状態に~♪


ふぅ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(喉が渇いて渋茶啜り)


此の企画に関してはコチラを一読して頂く事を推奨致します。
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by yugenniou | 2007-11-01 16:30 | 絵巻―Emaki


表では言い表せぬ日々の出来事などを戯言や映像などと共に、此処に記す。妙な画像リンクが貼られたりしているが、本人は大真面目に書いている積りである。 …多分。
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ブログに使用されているアイコンは、株式会社トミーウォーカーのPBW『TW2:シルバーレイン』用のイラストとして、藤堂巽が作成を依頼したものです。 イラストの使用権は藤堂巽に、著作権は鰻ニョロリ絵師に、
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