落首花
先日、実家より便りが届いた。

時候の挨拶を綴りながらも、私の卒業後の進退を気遣う様子が見て取れた。

未だ流浪の修行の身故、父上の目を盗みながら母がこっそり送ったものであるらしい。

その封の中に、一枚の写真が添えられていた。

f0119553_973941.jpg


雪白唐子。

庭で最初に咲いた椿を活けたとのこと。

降り積もる雪中から力強く芽吹き、

やがて大輪を結ぶこの花に如何なる想いを篭めたのだろうか。



椿は世に云う「落首花」である。

その花がぽとりと落ちる様子から、古来武家では忌み嫌われたという噺が一般に広まっている。

だがそれは、明治以降の武士道回顧の風潮が造り出した流説である。

戦国時代に於いても、秀吉が愛した大徳寺の「胡蝶侘助」や、

元祖傾向者武将の信長の弟である織田有楽斎の愛でた「有楽椿」等が在る。

茶道や和歌を好む数寄者よりも更に傾いて見せた傾奇者達の、

武辺の意地と見栄と誉れの一つの象徴になっている。
f0119553_1015338.jpg


諸式に煩い江戸時代に到っても椿の花は大いに流行し、

二代将軍の秀忠でさえ江戸城の吹上(庭園)に各地の椿を集め、

後に「江戸椿」と呼ばれる品種の流行を産み出したと云う。



それより少し時代を遡り、万葉の頃。

この時代にも、落ちる様の儚さを枕草子などに詠われた美しき花が在った。
f0119553_10384310.jpg

栴檀(せんだん)。

古名は「樗(おうち・あふち)」(楝とも書く)と呼ばれ、

暖かい地方に自生して梅雨の季節に花開く高木であり、

仏像にも使われる程に霊の宿る神木と見做されていた。


この花の古名を冠し、今の世に仄かな華を咲き誇らせる一人の少女が居る。

f0119553_195507.jpg


穂村みずる

普段は垣間見せぬその冷たき瞳は、何を見据えているのだろうか?

彼女が咲かせて散らすその花は、

何時も鉄錆にも似た紅い五弁の花である。

身近な者達に聞く勇気が在れば、その首を代償に答えは求められるだろう。
f0119553_20162248.jpg
f0119553_20171064.jpg



樗には、実はもう一つの忌まわしき謂れが在る。

それは、嘗て落とされた罪人の首を枝に括って晒す木であった事。

彼女自身は未だ、この事実を知らないままである――。





「袴姿似合ってますね~」

「そうですか?履いてみたかっただk…いえ、ありがとうございます。」

「でも、『おうち』って珍しい読み方ですよね。」

「えぇ、髪の色からイメージして…」

「あぁ、刺されて『Ouch!!』って訳じゃないのですね~」

「………(無言で巽の影武者を刺した)」









※注意※
此処に掲載したSDピンナップは、
株式会社トミーウォーカーのPBW『TW2:シルバーレイン』用のイラストとして、
藤堂巽・結更夜・凪龍一朗・黒執躑躅・芹澤望・藤原洸太・芹澤天・榑林燈子・雨乃森珪・中村淳子・
芹田礼次郎・芹田俊一郎・煌月朔・瑛月しわす・森山樹里・堀田ノラ・相澤悟・坂上飛連・穂村みずる…
(以上敬称略)が、作成を依頼したものです。 
イラストの使用権は発注者に、著作権は犯ばあぐ絵師に、
全ての権利は株式会社トミーウォーカーが所有します。

尚、このブログにイラストを掲載する事は、
発注者様方からの事前の許可を頂いております。


SDの集合画像(今回より分割;;)は、クリックすると別画面で大きくなります。
最大画像にすると、本当に絵巻みたいなスクロール状態に~♪

・・・・・・とうとう、絵巻が分割しないとアップロードの容量超える事になりましたorz


此の企画に関してはコチラを一読して頂く事を推奨致します。
[PR]
by yugenniou | 2008-02-20 20:35 | 絵巻―Emaki
<< 漂う雲の如く、水の如く ~武神... 時代絵巻 ~2月20日更新~ >>


表では言い表せぬ日々の出来事などを戯言や映像などと共に、此処に記す。妙な画像リンクが貼られたりしているが、本人は大真面目に書いている積りである。 …多分。
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30
カテゴリ
※リンク
【シルバーレイン】
藤堂巽プロフ

【シルバーレイン・ブログ】

***古武道部***

凪部長
なぎくんち
結更夜さん
*scrap honey*
黒執躑躅さん
躑躅の花咲く真皓き箱庭
芹澤望さん・藤原洸太くん
火取虫
芹澤天くん
青空星

***志怪之間***

アネモネ・ラグーナ
どきどき日本滞在記♪
瑛月しわす
いちごの華にささやく言葉
要司弦
ひつじのうた。

部員は基本的にリンクフリーです。気付いた時点で相互にさせて頂きますね。また、巽視点で面白いと感じる部員のブログは、突如襲撃し、尚且つリンクも勝手に攫ってきますので…御注意を。(礼)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・
※此処は?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
株式会社トミーウォーカーが運営するPBW(Play・by・Web)「シルバーレイン」に参加した、藤堂巽の戯言日記の置場です。 興味の無い方が長居しても何の得も有りませんので、気の所為だと即座に窓を閉じる事を心よりお勧め致します。 

ブログに使用されているアイコンは、株式会社トミーウォーカーのPBW『TW2:シルバーレイン』用のイラストとして、藤堂巽が作成を依頼したものです。 イラストの使用権は藤堂巽に、著作権は鰻ニョロリ絵師に、
全ての権利は株式会社トミーウォーカーが所有します。
以前の記事
ライフログ
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧